ぽえむ

机上のふわふわ

テレビには興味がなくて ラジオばかり聴いてる 声に恋する5秒前 黒くて四角の箱の中 に、また箱があったよ ねえ、コレ ちょっとくらいなら ひっくり返してしまって、いいでしょ? ねえ、もっと叫んで すっかり世界まるごと ひっくり返してしまってよ。 ――ガ…

蜘蛛の糸

ゆらゆらと 視界にゆれるのは糸だろうか もしくは煙草の残り香 ただようまぼろしは ほどけてからまって 朝露に濡れた蜘蛛の糸が とてもきれいだった 落ち葉をかさかさ踏みならして 通りを行き交う人々の靴音はまばら 遠く聴こえる風の声 まるで古い映画のよ…

世界の終り

やっと 世界は終わったのだという 鈍色の水面を照らす灯台の灯りは 世捨て人をも見放して 夜風に屹立して静寂 暗夜に映える孤独の影絵に 語る言葉も今はなく 茂みに乗り捨てられた一台の車 その傍に一匹の黒猫が座っている 二人は互いに身を寄せ合い 世界の…

愛をすることの考察(改訂版)

そう。 願いがひとつだけ叶うとしたら? あなたに言われたから、わたしは答えを探しに夢の世界に潜っていった。 びっくりした。 だって、世界はすでに 水没していたのだから。 それはまるで 果てしない壮大な水槽の中にいるような感じ。 わたしはぷかぷかと …